深夜アニメ館: アニメキャプ+感想+考察その他

2005/6/29 Wednesday

エルフェンリート #13(最終回)

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エルフェンリート第13話「不還」。コウタが記憶記憶を取り戻した今、ルーシーが辿るべき道は、既に彼女自身によって決められていたのでした――



前回、橋から落ちたナナは蔵間に拾われてたんすね。
そして坂東。原作版の坂東はディクロニウスともほとんど互角にやり合えるようになるんですが、アニメ版では無理でした。このあたりから原作では坂東の人気がグッとアップするんですが、アニメ版ではそこまでは至らず。

やっぱ尺の問題でルーシー以外のキャラの掘り下げが甘くなっているのはかえすがえす残念ですねー。でもこの尺で他のキャラに無理にスポットを当てようとすると全てが中途半端になってしまいますから、全13話のアニメ版では主役のルーシーに絞って描くという決断は正解でしょう。

でも冒頭の坂東とのやり取り、「お前はもう、私を見ることはない」って・・・。
やはりルーシーは――




マリコの凶暴さがムチャクチャ強調されてますなあ。そしてコウタ達に被害を与えないためにもマリコをこのまま放っては置けないルーシー。でもこの時点ではまだルーシーはマリコの本当の力を知らないわけで・・・。




やっぱルーシーでもマリコには全然敵わないよ!リーチも手数も違うんじゃしょうがないよなあ。でも“ルーシーは殺すな”って命令はちゃんと守ってるのな。あっさりルーシーを下して勝ち誇るマリコ。でもそんなマリコの前に蔵間とナナが・・・。




これぞエルフェンリート!!って場面ですね。最終話は完全にアニメオリジナルで、もちろんここもそうなんですけど、この“本能的に殺しを愉しむ化け物”だと思われていたマリコが、実は単に自分の力のコントロールができない未熟な子供なだけで、両親の愛への飢餓感が無軌道な暴力へと向かわせていたんだということがわかるシーンは、原作7巻の雰囲気そのまんま。

だからといってマリコが救われるような展開にはならないところも含めて、運命の残酷さというか、やるせなさがムチャクチャ強烈なんすよね。なんかそういうところの表現に、原作者の深い情念を感じざるを得ません。




でも最期の瞬間だけは、そんなマリコも、そしてマリコをそこまで追い込んでしまった蔵間も、束の間の“赦し”を得ることができたといってもいいんでしょうね。赦しと言うにはあまりにもやるせない結末ですけど、これもまたエルフェンクオリティ。



最大の脅威だったマリコも、宿敵だった蔵間もいなくなり、あとは自分自身の決着をつけるだけとなったルーシー。そして決して叶えられることのない自分の想いをナナに託すルーシー。なんかせつねー。




ネット上でも話題になったように、この場面でのコウタの反応は原作とは比べ物にならないくらいあっさりしてるわけですが、やっぱこれも尺の都合ですよね。てか最終回でこの場面だったらこうなる他ないでしょう。いい感じですよ。ここで原作版の反応された日にゃ話が締まらないっすから。

“今までコウタに謝るためだけに生きてきた”ってそりゃせつねーっすよ。そしてそれを済ませた以上、もうルーシーが自分のそばにはいなくなるって事はそれなりに察しがつくわけですからね。ここは引き止めるでしょうコウタじゃなくても。




「カナエを・・・父さんを殺したキミを、俺は許せない!!でも・・・」

このあたりは原作ではこれからだいぶ先の99?100話あたりの展開なんですけど、アニメ版だとかなりロマンチックな仕上がりになってますよね。このあたりの描写はスバラシイっす。まあ原作とアニメとではシチュエーションも台詞のニュアンスもその後の展開もかなり違うわけですが。

でも、ずっと心の奥底に苦悩を抱えて生きてきたルーシーが“赦し”を得るシーンという意味では共通していますよね。コウタに抱かれて至福の表情のルーシーがメチャメチャいいです。




でも、だからといってそのままハッピーエンドなんてことにはならないんですよね。本作では。

楓荘のみんなとの幸せな暮らしはナナに託し、コウタへの謝罪もすませ思い残すことの無くなったルーシーは、ひとり自分を狙う警官隊と対峙します。これ以降コウタや楓荘のみんなに害が及ぶことがないように・・・。そしてナナだけが、ルーシーの気配が消えたことを知るのです。

・・・というわけで悲劇的な結末をむかえたエルフェンリートですが、そのなかでもルーシーや蔵間、マリコなどの主要なキャラクターはそれぞれに“赦し”を得ているところが救いですか。そして楓荘のその後を語るエンディングも物語をきれいにまとめています。最後に楓荘を訪ねてきた人影は謎ですが、これは謎のまま将来に含みを持たせるのがいいんでしょうね。

いやーでもアニメ化の話を最初に知ったときは“マジで放映できるんかヨ!”と驚いたもんですが、放映が始まってみるとその想像以上の出来にさらにびっくりしたものです。原作をしっかり理解して作りこまれた緻密な脚本、素晴らしい背景美術を含め高水準な作画、そして音響。どれをとってもハイレベルで並の深夜アニメとはかけ離れています。

今回の地上波放映ではかなりの部分がカットされたり修正されたりしていますが、それでもこの作品の魅力は充分伝わったと思います。これで興味を持たれた方はぜひノーカットDVD版も見られることをお勧めします。
原作もまた別の魅力があってお勧め。まあ原作についていえばアニメから入った人は最初は作画にビビると思いますけど。でも読み込んでいくとそんなことは気にならなくなりますから。

それにしても素晴らしい作品でした。スタッフとスポンサーのみなさんに感謝。

アニメ版のストーリーは13話で終りですが、DVD最終巻には番外編も収録されています。アニメ版で言えば10?11話のあたりに挿入されるエピソード、そしてルーシーが研究所に収容される経緯。
次回はその「通り雨にて… 或いは、少女はいかにしてその心情に至ったか?」を取り上げます。

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